音程について・音詰まりについて

音程について

\ ハイスピリッツ社の場合 /

ハイスピリッツ社の作るフルートは440Hzに調整されています。(アーストーンシリーズは432Hz)

インディアンフルートは民族楽器であり、現代楽器のように自分でチューニングするという概念はありませんし、音程が不正確な楽器がとても多いです。

しかしHigh Spirits Flutes社の製作する笛は非常に精密に計測して設計しているため音程のズレが少なく、初心者の方も安心して始めることができ、プロの方にも演奏や録音に専念していただくことができ好評をいただいております。

それでも、全ての楽器が完璧な音程かというとそうではありません。

また、吹き込む息の量でも音程は変わります。

強く吹き込むと高く(#)なり、逆に吹き込みが弱いと低く(♭)なります。

さらには冬場など寒く乾燥している時期には低くなりますので、そのような時はしばらく吹き込んで楽器が暖まると通常の音程に戻ってきます。(気温22℃、湿度35%が理想とされています。)

あくまでも民族楽器ですので、チューナーで計測することはオススメしておりません。

自分の心で感じインディアンフルートでしか味わえない音色の良さをお楽しみください。

\ ウッドサウンズ社の場合 /

ウッドサウンズ社もハイスピリッツ社同様440Hzに調整されています。

音程に関しても、基本的にはハイスピリッツ社と同様に精密に作られており、安定した演奏が可能です。

ただし、最高音域に関しては、やや不安定な傾向があり、ハイスピリッツ社に比べて個体差が見られます。
このような個体差については、日本代理店での検品に加え、当店でも入念なチェックを行っております。
そのため、明らかに吹きにくい個体や、演奏に支障が出るようなものは、事前に選別してお届け対象から外しておりますので、どうぞご安心ください。

ウッドサウンズの最高音ドの運指方法は個体によって異なりますが、お届けする前にその個体の指使いを運指表に記載して楽器と一緒にお届けします。(下図参照)

音詰まりについて

木製の楽器では、息を入れると吹き口のなかで結露(息に含まれる水蒸気が楽器内部で冷やされて水滴となる)を起こし音色が劣化したり音がでなくなったりします。
これを音詰まりといいます。

インディアンフルートは音詰まりしやすい楽器です。
ハイスピリッツ社は10分ほど吹き続けると音詰まり症状が起こってきます。(ハイスピリッツ社の中でもスピリッツフルートに限り結露しにくいように改良されているものもあります。)

その点、ウッドサウンズ社はあらかじめ結露しにくい構造になっております。


音詰まりの対処法は

1. 演奏前に楽器を温める

  • 冬場などは楽器が冷えており、結露が発生しやすくなります。
  • 手で握って少し温めてから吹き始めると、息との温度差が小さくなり、結露しにくくなります。(特に吹き口部分)カイロなどであたためるのも短時間であたたまり、とても効果的です。

2. 定期的に水分を抜く

  • 応急処置としては息を強めに「フッ」と短く吹き込んで水分を飛ばす(効果は一時的です)。フッと吹き込む際、音がでますが、音を出したくない方は音の出る穴「エッジ」部分を指で軽く塞いで吹き込むと音がでません。

3. バード(ブロック)を外して乾かす

  • 使用後は革紐をほどき、バード(上部のブロック部分)を外し、バードと本体についた水滴を拭き取りましょう。
  • 拭き取り後も木材が湿っていると再発してしまうので、しっかり乾燥させてから組み立てましょう。

4. 長時間の演奏では休憩をはさむ

  • 定期的に短い休憩をはさみ、水分を抜きつつ楽器も乾かしてあげるのが理想です。
  • 30分以上連続して吹いていると、どんなに対処しても水分はたまってきます。木が湿ったままだと音の通りも悪くなりますし、カビや劣化の原因にもなります。
  • バードを取り外す際、革紐をほどくのが大変な場合は、練習時のみ革紐の代わりにヘアバンドや輪ゴムなどでバードを固定すると便利です。
    これにより、吹き口周辺にたまった水分をこまめに拭き取りやすくなり、結露対策や楽器のメンテナンスがしやすくなります。