インディアンフルートの歴史
インディアンフルートにまつわる伝説 -シャイアン族-
私たちインディアンにどうやってフルートがもたらされたのか、
そんなお話です。
それは白人たちがやってくるずっとずっと前のこと…。
その伝説はこう始まるのです。
深い森の中・・・
当時、すべての創造主と崇められていた神様がおりました。
その神様の名前は「グレートスピリット」
インディアンフルートの伝説はここから語られます。
あるとき、道に迷った一人のインディアンの青年がいました。
道に迷って深い森の中をさまよっている青年を見つけたグレートスピリットは、
困っている青年の姿をみて、とてもかわいそうに思い
青年 に贈り物を与え、元気をつけてもらうことにしたのです。
グレートスピリットは天から小鳥をつかわし、
青年が木陰で腰を下ろしているその大きな木の枝に止まらせました。
その枝は中が空洞になっていたので、勢いのよい北風がその枝の中を通り、
今まで聴いたこともないような音色を奏でています。
それに気づいた青年は、小鳥が止まっているその木の高いところを見上げていると、
まもなくして小鳥はその枝にくちばしで穴を開け始めたのです。
北風はずっと吹き続けていたため、
なんと小鳥が一つの穴を開けるたびにどんどん音程が変化していったのです。
青年は、空洞になった枝から素敵な音色が聴こえてくるのは、
グレートスピリットからの贈り物だと悟りました。そこで彼は注意深く木に登り、
その枝をていねいに折り取りました。
青年は北風が吹くのと同じように枝に息を吹き込むと、
美しい音色を奏でることができたのです。
その後、彼は家族にその素敵な贈り物のことを話しました…
これが、私たちインディアンに最初のフルートがどのようにしてグレートスピリットから
与えらえたのかという話です。
そして、インディアンフルートの上に小鳥がすえられているのはこういった訳が
あるからなのです。
出典「Flute Magic」
Tim R. Crawford 著 Mel Bay刊
訳 Moto Ozaki
以上が歴史となりますが
この伝説が本当の話なのではと思ってしまうほど
インディアンフルートの音色はナチュラルで
実際吹いていても大自然と一体化したような感覚に陥ってしまうほど
神秘な音色なんです。
是非体感してみてください♪
テレマン楽器「インディアンフルートの歴史」